避暑地のような緑豊かなアプローチ
開発が進む高輪ゲートウェイを降りて伊皿子坂を登っていくとそこは都心とは思えない閑静な街並み。緩やかなカーブを描いた坂の中腹に見えてくる秀和高輪レジデンス。薄群青色の塔屋とワインレッドの日除けが目を惹く1970年築の大きめの秀和です。
まるでリゾートマンションのような佇まい
ここの秀和の特徴といえばなんといってもこのリゾートのような佇まい。通りから伸びる、少し傾斜がかかった緑豊かな並木の長いアプローチ。この秀和と共に大きく育った樹木が避暑地のような風情を形作っています。
アプローチを登ると目に入るのは、青い瓦とその横に張られた建物名が描かれたワインレッドの日除け。
見上げると、通り側の東に面した建物正面の各住戸はとっても陽当たりが良さそうで、上の方の階は白いラフウォールに淡いブルーの屋根が反射してどこか涼しげで開放感のある雰囲気が素敵。
白い壁から突き出た優しいアール状のバルコニーが均等に並びエントランスの外観もあわさってまるでリゾート地の建物みたいです。
バルコニーのアイアンは70年台の秀和らしく緩やかなS字を描いたもの。優しい印象を残してくれるこのアイアンはどこかホテルのようなお城のような佇まいの建物の雰囲気とよく似合っています。
フラワーボックスにもご注目
バルコニーと同じく、S字のアイアンが取り付けれていて可愛らしいのですが、下からよく見ると、この台座部分には曲線を描いた支えがちょこんと付いています。
ここにお花を置いたら、ちょうど花束のような形に見えるんです。人が住んで初めて完成されるようなこういうちょっとした仕掛けってとっても素敵ですよね。
日除けの下のエントランス前のアプローチには階段とスロープが設けられていて柵のアイアンモチーフやゴールドの手すり、建物外壁の照明の組み合わせが美しい。
入口扉の左右にはステンドグラス。無色と琥珀色のパターンが優しい色合いを出しています。こちらはエントランスの内側からもぜひ見てほしいです。
赤絨毯が敷かれた螺旋階段
エントランスの中に入ると、中もやっぱり素敵な仕上がり。床と壁の一部は大理石タイルの造りで、エントランス扉の前面の足元には大理石の床に埋め込まれた円状のタイルアートが施されています。エントランス正面右手側には一見暖炉のようにも見える大理石で造られた飾り台が。黒みがかったウッドがディスプレイされていてなんだかホテルのロビーのような雰囲気。
エレベーター手前側にある赤い絨毯が敷かれた螺旋階段も見どころの一つ。階段の上には花と蔦をモチーフにしたようなシャンデリアが吊られています。
一部吹き抜けになった、二階廊下部分と階段を囲むアイアンの柵はC字を組み合わせて花びらを模したようなデザイン。その隣に掲げられた照明も細身の造りで味のある風合いが非常美しいです。
ちなみにこの階段を登った先には2階へ続くのかと思いきや、階段を再度経て(降りて)1階の北側の棟へと続いています。
あえて直接通路を接続せずに迂回させるこういった造りにしたのは秀和ならではの見せる演出なのでしょうか。
経年で生まれたこの風格と品格は決して現代のマンションにはないいやらしさのないゴージャス感で溢れています。
ちなみに正面からじゃなく皇族邸の向かい面した二本榎通りから一本道へ入ると、この秀和の裏口側へつながる小道もあるんです。紫陽花などの植栽もお手入れされていてちょっとした秘密の抜け道みたいです。
この二本榎通りの近隣には大使館や通りを挟んで向こう側には近年まで仙洞仮御所として上皇・上皇后ご夫妻の仮住まいとして使用された高輪皇族邸も所在しています。
ほかにも近隣は江戸時代には武家屋敷が、明治以降は皇族の邸宅が多く置かれたもともと由緒のある地域。そのためか周囲はゆったりとした落ち着きのある風情が漂っています。車がゆっくりと通りから入ってアプローチを登っていく様子はとても絵になります。
再開発が進む泉岳寺エリア
所在している高輪の周辺には都営地下鉄浅草線・京急本線「泉岳寺」駅、都営地下鉄浅草線「高輪台」駅、JR「品川」駅、「高輪ゲートウェイ」駅、都営地下鉄三田線・東京メトロ南北線「白金高輪駅」、という5つも駅に囲まれていて交通アクセスも秀逸です。
品川駅からは新幹線も利用できるし羽田空港へもアクセスしやすく、さらに将来的にはリニア中央新幹線の開業も控えていて、これからもさらに発展が予想されるエリアでもあります。歴史ある由緒ある地域から洗練された街へ進化を続ける高輪に佇む秀和です。