六本木の裏通りに佇む、楼閣のような秀和
六本木駅から歩いて約2分、六本木通を曲がり道を一本少し進んだ先に見えてくる
秀和六本木レジデンス。総戸数108戸の大きめの秀和です。
華やかな街六本木、だけじゃない
当時から繁華街であり、多くの人が行き交っていた六本木に秀和が建てられたのは
第2次マンションブームの1967年。
六本木と言えば、繁華街や六本木ヒルズ、ミッドタウンなどの商業施設のイメージですが、ここの通りはイメージとは裏腹に静かな通り。六本木裏には住宅が結構多いんですね。
今ではヴィンテージマンションの代表格と言われる秀和ですが、竣工当時からもその美しい装飾に高級感のあふれる佇まいから六本木という立地も相まって華やかさが滲み出ていたのではないかと想像できます。
駅から歩を進めていると遠目からでも一目でわかるところはさすが秀和。こちらの秀和は上層階から突き出した屋根部分も特徴的なんです。こういった形は他の秀和ではあまり見られない気がします。シンメトリーな構造との組み合わせは正面から見上げるとまるで楼閣のよう。
荒々しいラフウォール
ラフウォールは下地の荒々しさとざらざら感は残しつつも、上のモルタルを抑えながら塗ったような重厚感とすっきりさが組み合わさった仕上がり。モルタル仕上げの壁と青瓦、そしてこの屋根の形状は当時から目を惹いたんでしょうね。
バルコニーは一つずつの住戸が分かれている独立型
柵のアイアンはS字がかったものが使われていますが、端から中央にかけて徐々に高さが低くなっている形がほとんど。正面から見るとまるで波を打っているかのようで可愛いです。
駐車場の隣は建物アプローチ部分になっています。煉瓦造りの植栽からちょこんと飛び出したように備えられた館名板が可愛い。こちらの舘名の自体はオリジナルの明朝体でレトロ感が溢れています。
植栽の煉瓦花壇から伸びる門柱とアーチは黒を基調としたもの。細めのアイアンにゆるやかなS字とC字を組み合わせたような模様が施され、門柱とアーチのトップには花のようなモチーフが金縁で彩られています。ゴツゴツとした印象はなく、ほっそりしたどこか優雅さを感じられるデザインです。
贅沢に使われた敷地
贅沢にも広めにとられた敷地のなかには駐車場はもちろん、1階の敷地壁の内側には広場も設けられています。建物全面の駐車場部分と建物敷地を隔てる敷地壁の一部は半円状に繰り抜かれていて広場の植栽が顔を覗かせています。
幅を広めにとられた広場は中庭のような開放的な空間に。内壁もラフウォールで仕上げられていて煉瓦造りの花壇に外灯との組み合わせがとっても素敵。
1Fエントランスの入口扉に施されたアイアンの細やかな装飾もいいですね。太陽をモチーフにしたのでしょうか、放射状に広がる円と直線の組合わせ。ちなみに年代が近い都立大レジデンス(1968年築)にもこちらによく似たデザインが使われています。
エントランスはオートロック仕様となっていて数年前からは宅配ボックスも備え付けられています。エントランス内の琥珀色のステンドグラスも美しく、優雅さを引き立ててくれています。
建物内部にも秀和らしさはしっかり出ていて、住戸の窓の面格子や各階エレベーター横の階段にもS字と直線を組み合わせたアイアン柵が装飾されています。
共用廊下は内廊下仕様となっており、六本木という立地において当時からも高級感があふれるマンションであったことを思わせます。
六本木らしい眺望
屋上からは六本木の街並みはもちろん国立新美術館や東京ミッドタウン、東京タワーやスカイツリーまで見られます。
ロケーションは六本木の裏通りに面した静かな住宅地ですが、一歩大通りへ出れば六本木だけでなく南青山や西麻布にも程近く文字通り都心のアーバンライフを楽しめる秀和です。