秀和門前仲町レジデンス
これも秀和なんだ!ベージュの秀和見つけました
一見するとわからない、秀和マニア的には「ビル秀和」のひとつが門前仲町にありました。1980年築・総戸数31戸の珍しい外観をもつ秀和門前仲町レジデンスです。
ラフウォールもなし、アイアンもなし、そして青瓦もなし
秀和っぽさは、マンションの外観を見つめているだけだとわからない…のですが!あるんです。エントランスの横とアプローチ脇をよーくよーくみてください。網目模様が美しいガラス照明に、いつもの秀和レジデンスの魂がしっかり宿っています。エントランス部分の上の庇部分は、ちゃっかり緩やかにアールが描かれてるのもポイント。
同年代の秀和元代々木アネックスや秀和南大井レジデンスもそうなのですが、こういった実験的というか他とはまた異なる意匠が凝らされた秀和ってついついディテールを観察したくなりますよね。
さりげなく美しい照明
外観からアプローチ前に目を向けると、ニョキッと地面から突き出したような外の館銘板が可愛らしい。
少し丸みを帯びた字体とこの可愛らしさがマッチしていて良いですね。そのすぐ横を見上げるとここにも美しい照明が浮かんでいます。
館銘板はもう一つエントランス正面の右上にも掲げられていて、ここの字体は少しなんだかポップ寄りなんです。独特の優雅な雰囲気に彩りを加える秀和の館銘板たちですが、こちらのものからは飾らない、どこか砕けたテイストを感じます。
秀和らしさをしっかり残した照明の横を通り過ぎるとエントランスへ。エントランス内部の壁は、レンガ調のタイル張りで仕上げられたものにスクエアの床タイル仕様。少しツヤ感のあるライトブラウンの色味の壁がレトロな雰囲気を漂わせながらも、優しげなベージュを基調としたアースカラーでまとめられた建物に優しいアクセントを出しています。
外壁はラフウォールでなく、さらっとした吹き付けタイルのようなテクスチャー仕上げ。外壁の目地のモールドや、外に露出した壁づたいの配管、直線的なラインの外階段からは無機質で無骨な感じが少しします。
バルコニー柵はガラス製で、バルコニー土台と手摺壁が一体となったものにはめ込まれています。
質感の違うガラスパネルが良い感じにコントラストを効かせていて、建物全体で見ると、アプローチ周りの無骨な感じと絶妙なバランスが美しい。一般的に秀和レジデンスって、張り出した青瓦の屋根やラフウォール、それにアールのついたアイアンなどデコラティブで立体感や質感が全体から感じられる造形が多いです。でもここはそれとはまるで真逆のように、ガラスパネルを使ったバルコニー、ちょっと直線的な建物の形状、外壁の仕上がりなど、フラットで引っ込んだデザインを意識したというか・・・。
装飾性の高い主張をあえて表立って出さない美を感じられます。
でも、照明だったりやっぱり作り込んである部分はしっかり意匠を凝らしていて、コンセプトに奥ゆかしさというか上手に引き算されたような様式の建物になっている気がします。
ビル秀和の特徴
1階にはテナントが入っていて、これは他のビル秀和にも多い特徴でもあります。立地としてはレジデンス名に「門前仲町」と付いていますが、最寄駅は清澄白河駅。出口を出てから、仙台堀川に向かって歩く途中にあります。
文化、下町情緒、そして新しさ
このエリアにはロースタリーカフェがいくつもあるコーヒーエリア。そして東京都現代美術館や様々なアートギャラリーもあり、休日には多くのひとで賑わいを見せます。もちろん木場公園だって徒歩圏内でちょっとした息抜きにもフラッと行けちゃう。下町情緒とおしゃれで文化的な要素が合わさった街って素敵ですよね。
そんな街の一角に佇む、ベージュのビル秀和です。
マンション名 |
秀和門前仲町レジデンス |
所在地 |
東京都江東区平野2丁目7−5 |
最寄り駅 |
都営地下鉄大江戸線及び東京メトロ半蔵門線「清澄白河」駅徒歩7分、都営地下鉄大江戸線及び東京メトロ東西線「門前仲町」駅徒歩14分 |
築年月 |
昭和55年4月 |
建物構造 |
不明 |
棟総戸数 |
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管理会社 |
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